こんにちは!
佐竹リーダーです!
今回は、広島国際青少年協会の看板イベント、「ぼくらの町」について紹介します。
この記事を見て、「ぼくらの町」について知っていただき、興味を持っていただけたら幸いです。
ぜひ、保護者のみなさんも、「ぼくらの町」で子どもたちがどんな経験をしているのか、ご覧ください!
「ぼくらの町」とは?
「ぼくらの町」は、毎年、夏休みの中頃に3泊4日で開催します。(※今年度は、新型コロナウイルス感染症対策のため、夏ではなく春に開催予定です。)
三滝少年自然の家を開催地としており、例年、子どもたち150名ほどと、高校・大学生スタッフ50名ほどが参加します。
「ぼくらの町」は、子どもたちがつくる、子どもたちのための町です。
子どもたちは「ぼくらの町」の企業に就職して、給料をもらいます。そのお金を、生活に必要なことやお買い物に使います。
町のきまりも、子どもたちが話し合って決めます。
「ぼくらの町」は、子どもたちが動かしています。
そのため、「ぼくらの町」がよりよい町になるかどうかは、子どもたち次第です。
このような経験のなかで、どうすればこの町をよりよくできるのか、自分にできることは何かということを考えます。
このように、「ぼくらの町」で、子どもたちはいつもと違う町で生活するだけでなく、「自分たちで町をつくる」という経験をしています。
「ぼくらの町」で得られる4つの経験
では、具体的には、どのような経験をしていくのでしょうか。
「ぼくらの町」で子どもたちがする経験は、大きく分けて4つあります。
1.職業体験
1つ目は、職業体験です。
子どもたちは、企業に就職して、仕事をします。
どうしたらもっと楽しい職場にすることができるか、どうすればもっと商品を売ることができるか、どうすればもっとお客さんに喜んでもらえるかといったことを、自分たちで考えて行動します。
そうすることで、仕事の大変さややりがいを実感します。
例えば、「ぼくらの町銀行」。
「ぼくらの町銀行」は、企業にお金を貸し付けたり、個人のお客さんからお金を預かったりする企業です。
「ぼくらの町銀行」の仕事には、多くの書類を扱う仕事があります。
書類の中には、受付を通してお客さんに渡されるものもあります。
そうした書類に、もし判子を押し忘れたままお客さんに渡してしまうと大変です。
そこで、受付の人が判子の押し忘れに気づいた時には、自分から書類を扱う人にそのことを伝えて、直してもらうことができます。
このように自分たちの判断で仕事をし、助け合うことを通して、自分たちで考えて行動し、協力し合うということを経験します。
他にも、ぼくらの町のテレビ局「SSTV」があります。
「SSTV」は、みんなが毎朝見るテレビのニュース番組をお届けします。
ぼくらの町でどんな出来事があったのか知るため、1日中、ぼくらの町を取材してまわるのでかなり大変です。
しかし、朝のテレビ放送で、みんなが見てくれて、「面白かったよ」と言ってくれた時に、仕事のやりがいを実感します。
2.経済体験
2つ目は、経済体験です。
子どもたちは、企業で働く中で、どうしたら売上を伸ばすことができるか試行錯誤したり、もらった給料を自由に使ったりします。
例えば、レジャー企業である「プレイパーク」では、子どもたちがどうしたらお客さんがたくさん来てくれるかを考えた結果、2つ以上のゲームをしたお客さんには料金を割引する「セット割」を生み出しました。
お土産を販売する企業である「おもひで屋」では、売れ行きがあまり良くない商品があったら、自分たちでポップを作り、お客さんが注目してくれるように工夫しました。
自分たちの行動によって売上が伸びることで、子どもたちは経済の仕組みを実感しています。
もらった給料は、自由に使うことができます。
しかし、「ぼくらの町」で生活するためには、食事をするのも、お風呂に入るのも、すべてのことにお金が必要です。
お金は有限ですから、自分で考えて使わなければなりません。
一生懸命働いた分、お金の大切さがわかります。
3.政治体験
3つ目は、政治体験です。
「ぼくらの町」のみんながよりよい生活が送れるように、自分たちで考え、行動する仕組みがあります。
例えば、町議会。
「ぼくらの町」では、子どもたちのなかで町議会議員を決めて、町議会が開かれます。
町議会では、役場が行った住民調査によって集まった住民の意見をもとに、町のきまりや政策を考えます。
町をより良くするための話し合いをするのです。
この話し合いによって、新たに法律ができたこともあります。
「ぼくらの町役場」が集める税金も、政治体験を促します。
「ぼくらの町役場」は、税金を集めて、それを公共サービスの提供に使用します。
例えば、警備会社・町議会議員の給料に使われたり、経営がうまく行っていない企業に補助金を出したりします。
中には、税金の使われ方をしっかり確認する子どももいます。
4.社会体験
4つ目は、社会体験です。
上記の3つの体験を通して、社会の一員であるということを実感します。
具体的には、自分の働きかけで企業が良くなったり、企業のみんなで協力して働くことで町に良い影響を与えることができたりした時に、実感します。
例えば、ぼくらの町のレストラン「レストラン スプーン」では、子ども、スタッフ合わせて約200名の食事を毎回運んで並べます。
短い時間で、こぼさないように運ばなければならないため、かなり大変です。
ですが、時間通りに並べ終えた後、みんなが楽しそうに食事をしている様子を見ると、自分たちがやったことの影響を実感することができます。
ホームでのルールを守るということもまた、社会体験の一つです。
ホームとは、企業で仕事をしている時以外の、寝食などの生活をするグループです。
ホームではルールを決めることもあります。
ルールは破ってしまうときもありますが、みんなでルールを守った時には、みんなにとって気持ちのよい時間を過ごすことができます。
自分勝手に行動するのではなく、いちグループの一人として行動することで、みんなにとって良いグループをつくることができるんだと気づくのです。
このように、「ぼくらの町」での一つひとつの経験を通して、自分は社会の一員として生活しており、そこで様々な働きかけをすることがみんなのよりよい生活につながっているんだということを実感することができるのです。
「ぼくらの町」での5つの学び
私たちは、このような経験を通して、大きく分けて5つの学びを得てほしいと思っています。
1.社会への効力感を持つ
1つ目は、社会への効力感を持つことです。
社会への効力感とは、「自分は社会に影響力を持つことができる」という感覚のことです。
「自分にできることはない」と諦めるのではなく、なにか自分にできることはないかと考え、実行することが大切だと考えています。
2.社会的責任感を持つ
2つ目は、社会的責任感を持つことです。
自分が社会に影響力を持つことができると思うのと同時に、自分が社会に対してするべきことがある、という責任感を持つことも、社会の一員として暮らしていく上で非常に大切です。
3.社会の仕組みを体験・実感する
3つ目は、社会の仕組みを体験・実感することです。
学校で、授業や教科書を通して、政治や経済といった社会の仕組みについて学びますが、実際にそれらを体験を伴って理解し、仕組みが働いているという実感を持つことは、なかなか難しいと思います。
ですが、ぼくらの町では、自分たちの意見をもとに「議会」という仕組みを通して町のルールが変わった時などに、自分たちの生活にそれら社会の仕組みが影響を与えているということを実感できます。
こうした経験を通して、学校での学びが、実際に社会で起こっていて、私たちに影響を与えているという認識を持ってもらい、より社会に興味・関心を持つことに繋がったらと考えています。
4.主体性を持つ
4つ目は、主体性を持つことです。
主体性とは、自分が置かれた環境や状況から、自分が何をするべきかを考え、判断し、責任をもって行動する姿勢のことです。言われたことをするだけでなく、一人ひとりが主体性を持って行動することが、社会の中で生きる人にとってとても重要視されています。
5.協働する力を身につける
5つ目は、協働する力を身につけることです。
協働とは、1人ではできないことを、互いのことを補い合うことで成し遂げることです。
大きなことを成し遂げるためには、他者との協働が必要不可欠です。
最後に
今年は夏に開催することはできませんが、2021年春に開催するために準備しています。春にみなさんと会えることを心待ちにしています!!